赤井沙希選手が11月12日でプロレスラー引退を発表 高木三四郎社長の「DDTの家族です」発言に号泣


「赤井沙希プロレス引退発表記者会見」が5月24日、都内にて開催。DDTプロレスリングに所属するプロレスラーの赤井沙希選手が、11月12日(日)に東京・両国国技館で行われる「Ultimate Party 2023」を最後に、プロレスラーを引退することを発表した。会見には、DDTプロレスリングを運営する株式会社CyberFightの高木三四郎社長も出席した。


純白のドレス姿で登場した赤井選手は「こんなにも未熟な私をいつも見守っていただいている皆さまには、感謝の気持ちでいっぱいです。約10年前、客席からDDTを見ていて『なんてめちゃくちゃで愛しい団体なんだろう』と夢中になり、ひょんなことから高木大社長に『プレイヤーにならないか』とお声がけをしていただき、悩みに悩んで、親に大反対されながらも、両国国技館でデビューしたことがついこないだのように感じます。もっとDDTを知ってもらいたい。自分が今持っているものや、経験してきたことがDDTの力にならないかと、いろいろなことに挑戦し、DDTの歯車の一部になれることを誇りに、この10年間1度も止まることなく走り続けて参りました。未熟な私は足りないものがたくさんありましたが、皆さまからの温かい声援が弱い私の力になり、自分の強さや自信へと変わってきました」と回顧。「そんな皆さまからの力と共に、私は強く、気高く、美しくをモットーに、日々リングに立ち続けてきましたが、10周年を迎える今年、この節目の年にけじめを付けることで、それもやっと完成されるのかなと思いました」と切り出し、「赤井沙希は、デビュー10周年を迎える今年、2023年11月12日にデビューした場所でもある両国国技館にて、プロレスラーを引退することを決意いたしました」と発表した。


「私は枯れて朽ちていく花ではなく、美しいまま散る花でいたい。それこそが、赤井沙希のプロレス道の最終地点だと思っています。ファンの皆さまの中で、いい状態の赤井沙希が美しい思い出として存在し続けられることが自分にとって1番の理想です。寂しさや悲しさがないと言ったら嘘になりますが、私にとってのDDTやファンの皆さまに対する愛の形であり、私の美意識だということをご理解いただきたいと思っています」と述べ、「皆さまからいただいた温かい想いを、プロレスラーとして試合でお返ししていけますよう、引退する最後の日まで自分らしくブレずに全力で駆け抜けていたきたいと思っています。引き続きDDTプロレスを、赤井沙希をよろしくお願いいたします」と頭を下げた。



引退を決断した時期については「プロレスをやっていると、目の前のことにひたすら一生懸命になるしかなかったので、あまり自分の周りのことは考えていなかったんですけど、8、9年目あたりから、周りの方に『もうすぐ10周年だね』と言われるようになりました。長く続ける美学もあると思うんですけど、私の場合は美しく散る花でいたい想いが強いので、10周年っていうタイミングが理想かなと思い、意識するようになりました」と説明。この10年、試合で大きな怪我をしたこともなく、身体に慢性的な損傷もないそうで「自分のタイミンで幕を引けるのは幸せなことだと思っております」と笑顔を見せた。引退後のプランは「今、行っているサロンでしたり、プラチナムでの活動は引き続き行っていきます」とのこと。



赤井選手の引退についてコメントを求められた高木社長は「赤井さんはすごくポテンシャルが高く、プロレスのリングにいたらすごく映えるだろうなと思って、この世界にスカウトさせていただきました。ただ、お母様が猛反対されていたので、納得してもらうために『赤井さんを必ず立派なプロレス選手に、DDTが責任をもって育てます』と言わせてもらいました。それでお母さんに『じゃあ1年頑張りなさい』と了解を得たのが、10年以上前の話なんですけど、今のように思い出されます」と振り返った。「赤井さんから『DDTが世の中に広まることだったらなんでもやらせてください』と言っていただいたことがすごくうれしくて、本当に誇りに思っていました。最初は1、2年かなと思っていたのですが、DDTを愛し続けてくれて、10年を迎えていろいろな思いがある中で、引退を決意したんだろうなと思っています。僕らDDTができることは、美意識が高い赤井沙希を、きれいに美しく送り出してあげることかなと思っています。DDTを好きになってくれて本当にありがとう。あなたはDDTの家族の一員です。引退してもずっと家族の一員です」と感謝の言葉を送られると、赤井の目からは涙があふれた。



引き止めなかったのかと聞かれた高木社長は「引き止めはしなかったです。決心が固かったので」ときっぱり。続けて、赤井選手が選手ではない形でDDTに関わる可能性を問われると「お答えしたいところですが、引退してから話します。今はプロレスラー赤井沙希として最後まで頑張ってもらいたいなと思っています」と答えた。


7月23日(日)に両国国技館で行われる「DDTプロレスリング夏のビックマッチ」の対戦相手の希望について、赤井選手は「自分の中では『KO-D6人タッグ』のベルトが1番思い入れ深いので、そこに挑戦できるように頑張れたらいいなと思っています。坂口征夫選手、岡谷英樹選手が今の自分の大切なパートナーなので、この3人で自分たちの腰にプロレスラーの証を刻みたいです」と意気込んだ。

すると、高木社長がマイクを取り「今のKO-D6人タッグ王者は、ハリマオの樋口和貞、中津良太、石田有輝ですね。防衛戦はいろいろと考えたいたところではあったんですけど、赤井さんにその気持ちがあるのであれば、KOD-6人のベルトは社長判断で決定で! こういうのは何でも早いほうがいいんだよ!」と宣言し、会見中に防衛戦を行うことを決めた。


また「KO-D6人タッグ」以外で挑戦したいことについて赤井選手は「残りの半年間は長いようであっという間だと思います。今までお世話になった選手、そしてまだ戦ったことのない選手も、チャンスがあるなら試合したいと思っています。この半年間で私とやりたい選手が入れば、ぜひDDTに上がってきてください」と呼び掛けた。


ほか、母に引退することを報告したのかと尋ねられると「1番先に伝えました。親としては安心な部分もあったみたいなんですけど、母にもDDTの魅力が伝わっていたみたいで、どこか寂しさも感じました。残り半年ですが、娘がリング上で戦う姿を見せられたらいいなと思っています」と回答。しかし、父・赤井英和には「一切伝えておりません」と言い、「この報道で知ると思うので、たくさん報道してください」と報道陣に頭を下げた。直接伝えないのかという質問には「自分の最後のケジメとして、この報道で知られた後に直接報告しようと思っています」と応じた。



最後に、ファンに向けてメッセージを求められると「私は未熟で本当に弱いです。でも、プロレス界に入ってびっくりしました。ファンの方は、私と一緒に戦ってくれて、喜んでくれて、泣いてくれて、悔しがってくれたからです。客席とリングではありますが、同じチームだと思っています。皆さまがいなかったら今の私は存在していません。ファンの皆さま、私をプロレスラーにしてくれてありがとうございます。大好きです」と涙ながらに語っていた。


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