「MAOは最強の敵」と恐怖心明かすも自身の”チャンピオン像”体現すべく闘志燃やす!遠藤哲哉選手インタビュー!

5月3日に神奈川・横浜武道館で行われる「MEGA MAX BUMP 2023 in YOKOHAMA」が開催される。


同大会のDDT UNIVERSAL「(ユニバーサル)選手権試合にて、第10代王者として初の防衛戦に挑む遠藤哲哉選手に、対戦相手であるMAO選手の印象や、大会の見どころ、クワガタ愛などを語ってもらいました!


──4月1日でデビュー11周年おめでとうございます! Twitterにデビュー当時の写真がアップされていましたね。


遠藤)いや、お恥ずかしいです…(笑)。僕の中では記憶から抹消したことだったので、よく(写真が)残っていたなって感じです。まだ線も細いし、80キロないくらい…70キロ台くらいだったかな。あんなにガリガリでよくデビューできたなって思います(笑)


──当時と比べたらですが、今はすごい体をされていますよね。


遠藤)そうですね。年末は100キロくらいあったんですけど、膝に負担が掛かりますしスタミナもすぐに減ってしまうので、今は少し絞って89キロくらいです。もうちょっと脂肪を落としたいんですけど、100キロの時に比べるとだいぶ体も軽くなって、コンデション的には今が1番いいかなって感じます。


──どうやって絞っているんですか?


遠藤)基本は食事です。今年に入ってから減量に切り替えたんですけど、筋肉を落としたくないので、なるべく増量期に扱っていた重量をキープしたまま、食事をちょっとずつコントロールして体重を落としています。増量と減量を繰り返していることもあって筋肉が増えてきて、1番動ける体重もちょっとずつ増えてきているんです。去年は83、4キロくらいが1番動けていたんですけど、今年は85、6キロぐらいでベスト体重に持っていければなと思っています。


──(筋トレの)使用重量を落とさないのは大変ですね。


遠藤)大変ですね。減量に入って体重を落とすと筋肉も多少は減っちゃうので、どうしても重量は落ちてしまうんですけど、稼動域が狭くなってもいいし回数が減ってもいいから、なるべく今まで扱ってた重量を扱うようにしています。僕は、重量を落とすと筋肉が「今まで扱っていた重量を持ち上げる必要ないから筋肉を落としていいんだ」って感じて、筋肉が減ると思っているんです。だから、それを騙して「今まで使ってた重量を持ち上げる必要がある」って筋肉に思い込ませる。だから、減量中でも負荷をなるべく落とさないし、調子がよければ上げていくことを目標にやっています。


──ベストコンディションでの大会が楽しみです! では、初防衛戦の対戦相手・MAO選手の印象を教えてください。


遠藤)過去のタッグマッチではKO-Dタッグを取られているけど、シングルでは3回やって3回とも僕が勝っているんです。だから、挑戦を表明してきた時点では、イージーではないけど、そこまでハードルの高い相手ではないと思っていました。ただ、表明してからの彼の言動や発信する力を顧みて、もしかしたら最強の敵なのかなと思うようになりました。



──最強の敵…!


遠藤)はい。外堀から固めて反論できなくしていく、精神から蝕んでいくところは、僕が1番苦手としているタイプかもしれないです。正直、1番戦いたくない相手ですし、今はMAOに対して恐怖心を抱いています。「チャンピオンはどしっと構えていないといけない」っていう考えがあるので、あまり弱みを見せたくはないんですけど、今は追い込まれています。もちろん「チャンピオンとして絶対に勝ちます」って自信を持ってリングには上がるんですけど、何があるかわからないので。だから、タイトルマッチが決まってから今日までの間、僕の中ではノイローゼになる日が多いです。


──そこまでMAO選手に対して苦手意識を持たれているとは思いませんでした。


遠藤)彼は僕と違ってすごく口がうまいし、がなり立てるように自分の考えを全て表に出せる人間なんですよね。僕はそのへんがMAOと比べると弱くて、その差は自分でも実感していたんですけど、正直今までは無視していたというか、あまり見ないようにしていました。これも少し昔の話になるんですけど、DDTの前のユニットはすごく人気があって、解散してからしばらくはその時の貯金でやってこられていたんですけど、ここに来てその貯金だけではやっていけないっていうのを感じています。僕もいろいろ考えて、新しくBURNINGを立ち上げたりしているんですけど、まだ結果につながっていないと言いますか。ベルトを取ったりもしていますけど…。


──レスラーとして、他の人間を巻き込む力がないと感じられているんですね。


遠藤)MAOは0から1を生み出す力をすごく持っているんです。でも、僕は0から1を生み出すことがそんなに得意じゃない、生み出せない。そこの差だと思うんですよね。レスラーには誰でも長所と短所があると思うんですけど、僕の短所は完全にそこです。でも、MAOにはその力があります。


──遠藤選手の衝撃の写真集もご本人ではなく佐々木大輔選手きっかけでしたね(笑)


遠藤)そうですね(笑)。あれも本当に実現すると思っていなかったので「また変なこと言ってるよ」ぐらいでした。でも、佐々木さんとMAOはそこが似ていますね。民意を取り入れるのがうまい。2020年に佐々木さんとタイトルマッチをした時も、今回と同じくらい追い込まれたんです。自分から佐々木さんをユニットから追放したんですけど、気がついたら逆に自分が追い込まれていました。


──チャンピオンになってもまだまだ悩みは出てくるんですね。


遠藤)出てきますね。多分僕の過去の経験から言って、1回目の防衛戦は1番ハードルが高いですよ。タイトルに挑戦する時でもなく、防衛を重ねている時でもない、1回目の防衛戦が1番いろいろ考えます。ベルトを取った事実はあっても、まだそれが馴染みきっていないですし、自分の考えがファンの皆さんに届いてないんですよね。



──チャンピオンになられたので、ノリノリで再スタートされると思っていました。


遠藤)僕もそういうタイプでありたいとは思っているんですけど、1回目の防衛戦の相手がMAOっていうことで、いきなりつまづいていますね(苦笑)


──初防衛戦の雲行きは怪しいと…。話は変わりますが、遠藤選手は無類の虫好きだと聞きました。現在は、カブトムシやクワガタを200匹飼育されているんですか?


遠藤)数えてはいないですけど、多分そのくらいはいるんじゃないかなと思います。


──ハマったきっかけは何だったのでしょう。

遠藤)幼稚園の頃に、メタルヒーローシリーズ・重甲ビーファイターっていうカブトムシやクワガタなどの昆虫をモチーフにした戦隊モノにハマっていて、それで昆虫に興味を持ち始めました。それで、朝起きたら枕元に虫かごがあって、今思うと結構大きいミヤマクワガタが入っていたんです。そこからドハマリしましたね。親父が捕ってきてくれて、半年早いクリスマスプレゼントでしたね(笑)


──それはめちゃくちゃうれしいプレゼントですね! 夏が近づいてきていますが、外に捕りに行かれることもあるんですか?


遠藤)あります。去年ぐらいからまた採集を始めました。地元が宮城県の白石市っていう田舎で、近くに山もあったので中学生の頃くらいまではよく捕りに行ってたんですけど、卒業して専門に行って、東京に出て来てからはちょっと(採集から)離れていたんです。でも、2019年ぐらいに怪我で短い欠場期間があった時に、近所の「むし社」っていうお店に行ってから、虫に対する想いが再燃しましたね。


──遠藤選手流の捕り方があるんですか?


遠藤)いやいや、僕は採集に関しては素人です。もともとむし社さんで働いていたスタッフさんと仲良くさせてもらっているんですけど、その人は虫を捕るのがすごく得意なので、いろいろと教えてもらっています。ついこの前も幼虫を捕りに行ってきました。倒木や枯れ枝に産卵しているので、そのあたりに幼虫がいるんですけど、結構小さい種類だから細い木の枝にも入り込んでいますね。それを鉈で割って捕るという採集方法です。


──幼虫から捕られるんですね! 一年前にはDDT公式YouTubeチャンネルの企画「DDT うちの子 ペットじまん」でニジイロクワガタを披露されていましたよね。


遠藤)あのニジイロはもう死んじゃったので、標本にしました。きれいなまま残っていたら標本にするんですけど、死んじゃって腐敗すると体がバラバラになることもあって。僕は修復ができないので、そういうのは標本にできないですね。上手い人だったら車に引かれたような状態からでもパズルのように組み立て直して、結構きれいな状態にできたりします。


──すさまじい技術…! 披露されていたニジイロクワガタの色が仮面ライダー響鬼みたいだなと思ったんですけど、狙って育てられていたりするんですか?


遠藤)ニジイロはいろいろな色があるんですけど、基本ベースはタマムシ色です。突然変異ではないんですけど、赤色や緑色が強い個体を掛け合わせて、緑色が全然出ない真っ赤な個体や真緑、紫など自然界にはいない特殊カラーも育てられます。


──遠藤選手のコスチュームにもありますよね。


遠藤)コスチュームも昆虫をイメージしているんです。多分、まだ気がついている人はいないと思うんですけど、実は小さくヘラクレスオオカブトがいます(笑)。黒ベースのコスチュームに黒のヘラクレスオオカブトだからなかなか気がつかないんでしょうね。


──絶妙な位置…! ちなみに、ご自身をクワガタに例えたら何だと思いますか?


遠藤)中途半端なものを出したくなくて考えこんじゃうんですけど…オオクワガタですかね。オオクワガタは、日本のクワガタの中だと飼育下で9センチを超えて最大になるので、見た目が結構いかついんですけど、いかんせん気が弱いんです。そこが僕と似ているかなと思いました(笑)。それに、僕はめちゃくちゃ人見知りで、(初対面の人には)自分から話題を振ったりはできないんです。今は、プロレスと別にパーソナルトレーナーとしても活動していて、そこでは初対面のお客さんとももちろん話すので、多少は鍛えられているんですけど、基本的には人見知りですね。



──意外な一面までお話してくださりありがとうございました! では、最後に大会の見どころをお聞かせください。


遠藤)横浜武道館は2回目の開催ですよね。去年は僕がメインイベントで上野勇希選手と対戦して勝利することができたんですけど、今年はMAOとユニバーサル戦。正直、自分の中ではかなりハードルの高い対戦相手ですけど、僕の中にもチャンピオン像っていうのがあります。これも語っていいですか?


──もちろんです。


遠藤)KO-D無差別級やKO-Dタッグ、6人タッグ、EXTREME(エクストリーム)、DDTユニバーサルなどDDTにはベルトがいくつもありますよね。これはもうDDTが管理しているベルトで、そのベルトをDDTに所属する僕が持つ。多分、ユニバーサルって聞くと、世界中に飛んで「DDTや自分をアピールしろ」って思う人が結構いると思うんですよ。それも別に間違いじゃないですし、正解だと思います。だけど僕としては、チャンピオンはその団体でしか見られない存在でありたいんです。


例えば、ポケモンではジムリーダーが主人公のところに出向いて「俺と勝負しろ」って言わないじゃないですか。チャレンジャーが来て迎え撃つ。チャンピオンっていうのはそういう存在でありたいと僕は思っているんです。


KO-D無差別級はトーナメントの「KING OF DDT」とリーグ戦の「D王 GRAND PRIX(グランプリ)」の優勝者が挑戦できます。その他にも、イレギュラーで挑戦表明してチャンピオンとGM(ゼネラルマネージャー)が認めれば挑戦できますけど、これは結構ハードルが高いと思うんです。


それに対して、ユニバーサルは挑戦をするのにトーナメントもリーグ戦もない。こうやって間口を広く開けて、DDTの選手もそうですし、他団体から上がってくる選手たちが1番最初に挑戦するベルトにしたいんです。こう言うとKO-D無差別級よりも下に見てると思われるかもしれないんですけど、そういうことじゃなくて、外から上がってくる選手が僕と戦ってDDTプロレスのレベルの高さを実感できるベルトにしたいんです。そういった想いで、僕はユニバーサルのベルトを巻いています。やっぱり、外から来る選手が初めて挑戦するっていうのは僕にとっても名誉なことですし、そこでDDTのレベルの高さを実感してもらいたいです。



──DDTを証明するベルト、DDTを守るベルトだということに感動しました。


遠藤)ありがとうございます。MAOが言うこともすごくわかるんですよ。それに対して自分の中で答えを出すとしたら、そこかなと思いました。みんな「DDTを世界に広めよう」って言うですけど、僕は「そんなに謙遜しなくていいんじゃないかな」って思うんです。多分、今はWWEが1番大きくて、そしてAEWがあって、日本には新日本プロレスがある。でも、DDTは組織としても結構大きい会社ですし、守りに入るわけではないですけど、もっと自分たちのプロレスに自信を持っていいんじゃないかなと思うんですよね。「世界に届けよう」じゃなくて「もう届いてる」って思うのも大事じゃないかなと。


──世界各国に飛んで防衛戦をすることはよくありますけど「世界中の人が挑戦しにきたらいいんじゃない?」ってことですよね。


遠藤)そうですね。コロナも落ち着いてきたので、海外選手のニック・ウェインもそのうちDDTに上がるだろうし、ちょっと前だとサムライ・デル・ソルも「DDTに上がりたい」と言ってくれていたみたいです。だから、世界からも結構注目されている団体になってきていると思うんですよ。誰が頑張ったとか個人の話ではなく、DDT全体で積み上げてきたものが、形になっているんじゃないかなって思います。まあ、そんな中でMAOがイギリスに行ったり、アメリカでも試合していたのは本当に尊敬します。ただ、僕の中のチャンピオン像としては、やっぱりDDTでしか見られないチャンピオンになりたい。それはユニバーサルだろうと、KO-D無差別級だろうと、DDT所属の人間がベルトを持っている限りは。


──決意のベルトだと…!


遠藤)はい。向こう(MAO選手)がすごい言ってくるから、僕の中ではいろいろ考えちゃうんですよね。僕も「このベルトを持って世界を歩き回ります」って言いたいですけど、そうなるとMAOと同じになっちゃうので、真逆なことを考えたらこの答えにたどり着きました。


──MAO選手に追い込まれていると言われていましたが、自身のチャンピオン像を体現するためには迎え撃たないといけないですね。


遠藤)そうですね。この立場から言うと、MAOに僕のプロレスのレベルの高さをぶつけて「ユニバーサルチャンピオン遠藤哲哉のハードルは高い。まだお前に超えられる壁ではない」っていうことを証明しないといけないです。


──燃え上がる闘志を感じます!


遠藤)これを当日、皆さんにも実感してもらいます!



チケットはこちら!

https://www.ticketpay.jp/booking/?event_id=42912


■MEGA MAX BUMP 2023 in YOKOHAMA

2023年5月3日(水=祝)  開場12:30 開始14:00

神奈川・横浜武道館(神奈川県横浜市中区翁町2丁目9-10)

アクセス:JR京浜東北/根岸線、関内駅南口下車 徒歩6分

横浜市営地下鉄、伊勢佐木長者町駅下車 徒歩4分

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